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中学1年生課程へ 中学2年生課程へ 中学3年生課程
A  数と式 B  図形 C  関数 D  資料の活用
(1) 図形の相似 (2) 円周角・中心角 (3) 三平方の定理
 
円周角と中心角の関係の意味と証明
 a 今までの円の性質の再確認
  ・ 内心
  ・ 外心
  ・ 重心
 ① 円周角の定理
  ・ 円周角の定理から派生する定理
  ・ 例題問題 円周角の定理を利用して色々な角度を求めてみる
  ・ ここまでの各定理の証明
  → 接点までの距離は等しいという証明
  → 円周角の定理の証明
  → 弧と円周角の定理の証明
 ② 円周角の定理の逆 とその証明
  ・ 内接四角形の対角の和は180°
 ③ 内接円、外接円の性質の利用
  ・ 三角形の内接円の半径の利用
  ・ 頂点の角度と円周の関係
  ・ 内接円を持つ四角形の対辺の関係
円周角と中心角の関係の活用
 ① 接弦定理
  ・ 接弦定理の証明
  ・ 接弦定理の逆
 ② 方べき
  ・ 方べきの定理の証明
 ③ 方べきの定理の逆
  ・ 方べきの定理の逆の証明
 ④ その他余談
  a 2つの円の位置関係
  b 2つの円の共通接線の本数
  c トレミーの定理
  d チェバの定理・メネラウスの定理
  ・ メネラウスの定理

 

円周角・中心角

 

ア 円周角と中心角の関係の意味と証明

 

「円」には不思議な現象と言いますか、当たり前の現象と言いますか
たくさんの「定理(武器)」がありますね

 

 

 

円の半径イラスト

 

半径 r は、どこも同じ長さ
あたりまえすぎるのか、 他の図形と合わさると
見逃してしまうことがありますね


 

 

 

接線イラスト

 

接線は半径と直角
(証明)
点と線の最短距離は直角より

 

 点と線の最短距離イラスト


 

 

 

角の二等分線イラスト

 

角の二等分線は円の中心の集まり
接点までの距離は等しい
「接線は半径と直角」


 

 

 

 

内接円イラスト     

 

『それぞれは角の二等分線
⇔『交点が内心


 

 

 

 

外接円イラスト     

 

『それぞれは辺の垂直二等分線
⇔『交点が外心

 

cf.
四角形は「必ず」ではないですね
四角形と円のイラスト → まれに外接円がある


 

 

 


余談

 

三角形5心

 

【 重心 】

対辺の中点への線 (中線)
重心イラスト
 中線の交点 重心

 

 

『重心に支点をおくと
 バランスがとれる』
天秤のようなイラスト


 


  性質  

重心 ならば ① 中線は2:1
② 面積6等分     

 

 

① 2:1 とは

2:1の図

中点連結定理 より
 FE//BC、 FE:BC = 1:2
平行線と線分の比の定理より
 BG:GE = 2:1
 CG:GF = 2:1
 同様にFDを結べば
 AG:GD = 2:1


 

 (ついでに)

平行四辺が3つある図

平行がいっぱいある
対辺がそれぞれ平行より
AFDE、BDEF、CEFD は、
平行四辺形


 

 

 

② 面積6等分  とは

面積6等分な図

BCを底辺と見て、高さGが等しいので
 ① = ②
ADを底辺と見て、高さCが等しいので
 (AG:GD = 2:1より)
 ④③:② = 2:1
ACを底辺と見て、高さGが等しいので
 ③ = ④
∴ ① = ② = ③ = ④
グルっと1周すれば、
 ① = ② = ③ = ④ = ⑤ = ⑥


 

 

cf.
三角形五心として、内心」「外心」「重心」「傍心ぼうしん」「垂心」
ありますが、「傍心」「垂心」の2つは中学では不要ですね

 

 

 

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それでは、新たな分野へ
中学数学の「円の性質」で最も大事なものと思われる3つのうちの
1つ目「円周角の定理」ですね!

 

① 円周角の定理

 

まずは各部名称です

 

各部名称と円周角の定理

 

 

 


定理

 

【 円周角 の定理 】

 

円O

 

① a = \(\large{\frac{1}{2}}\)b  (b = 2a)

 

 (同じ弧に対する)
→ 円周角は中心角の半分
→ 中心角は円周角の2倍


 

(上向き円周角上向き中心角は同じ向き。
上向き円周角下向き中心角下向き円周角上向き中心角 ではない ですね)

 

 

 

同じ弧に対する多数の円周角のイラスト

 

② 同じに対する円周角は全て等しい
 (∠a = ∠b = ∠c = ∠d = ∠e)

 


 

 


  cf.  

イメージするときは
「同じに対する~」→「同じに対する~」
でもよいと思います

 

厳密には「同じ弧に対する~」です
1つの円に対する「弧AB」「弦AB」は1つですが  
逆の
1つの「弧AB」「弦AB」に対する円は
弧から円、弦から円
→ 弧ABに対する円は「1つに決まる」
→ 弦ABに対する円は「無数に考えられる」

 

 

 

 

 

これだけです!

 

 

「円周角の定理」に付随するものとして

 


重要

 

円周角が90°のイラスト

 

円周角が90° ならば)  BCは直径

 

 (\(\small{\stackrel{ \Large \frown }{ BC }}\) は半円の弧)
 (∠BOC = 180°)


 

→ 弧BCに対する中心角BOCは180°と考えれば
  円周角BACはその半分 → 90°ですね

 

 

念のため

 

中心角で作る二等辺三角形のイラスト

 

 

中心角を含む三角形は、  二等辺三角形
( 当然 2辺はどちらも半径だから)


 

 

 

弧の長さが等しい2つの扇形のイラスト

 

【 定義 】
弧の長さが等しい ならば 中心角が等しい
(1年生の扇形の面積・弧の長さ・中心角
 と同じことですね)


 

  下矢印 ということは

 

弧の長さが等しい2つの円周角のイラスト

 

【 定理 】 (弧と円周角の定理)
弧の長さが等しい  ならば 円周角が等しい


 

 

 

弧の長さに比例する中心角

 

 

【 定義 】
弧の長さ中心角は比例する


 

  下矢印 ということは

 

弧の長さに比例する円周角と中心角のイラスト

 

 弧の長さと
 中心角と
 円周角 も比例する
 (当然と言えば当然ですね)


 

 

不思議なような…当たり前なような…定理ばかりですね

 

 

練習問題円周角、中心角を求める

クリック・タップで答え (反応が遅い場合があります)

 

 

これは、公式のように憶えてもよいですね

 

円周角・中心角イラスト

 

a = b+c  (∵ 2つは二等辺三角形)
x = 2a = 2(b+c) = a+b+c

 

2年生で学んだ四角形のココと 全く同じですね

 四角形の外角のイラスト

 

・x=a+b+c
 (四角形の外側の角)



 

 

《 例 》
円周を8等分した点です x, y, z の角度を求めましょう

 

円周を8等分した円のイラスト

 

→1コマあたりの中心角は
  8等分の中心角
360°÷8 = 45°


 

 

円周を8等分した円のイラスト

xは3コマ分の中心角の半分(=円周角)
→ x = \(\large{\frac{1}{2}}\)(3×45°) = \(\large{\frac{135°}{2}}\)  = 67.5°

 

同様に、yは2コマ分の中心角の半分
→ y = \(\large{\frac{1}{2}}\)(2×45°) = \(\large{\frac{90°}{2}}\)  = 45°


 

 

円周を8等分した円のイラスト

 

同じ弧より 円周角も等しいので
図のような場所もy
∴ zは外角より (スリッパより)
 z = x+y = 67.5+45  = 112.5°


 

 

 

《 例 》
図のようなとき、AB:CD を求めましょう

 

弧の比を求める問題

弧の比を求める問題

図のようにx, y (同じ弧に対する円周角)
とすると
∠AFB = x+y = 62°(スリッパ)
∠ACB = 28°+x = y (スリッパ)

 

この連立方程式を解くと
x = 17°
y = 45°

 

円周角と弧(弦)の⾧さは比例するので
 AB:CD = y:x  = 45:17


 

 

 

 

それでは念のため余談程度で十分だと思われますが、
これまでの円に関する各定理の『証明』です

 

(円の定理に関する証明は全て、「余談」として見てくださいね!
定理(武器)を使って、「値」を求める問題がほとんどですので!
ですが…「原理」を納得することも大切ですので、できる限り証明していきますね!)

 

 

 

『 接点までの距離は等しい 』
円の外にある1点から引いた2本の接線の⾧さは等しい?

 

2接線に挟まれた円のイラスト

(証明)
△ABOと△ACOにおいて
・△ABOと△ACOは直角三角形 (∠B=∠C=∠R)
・BO = CO  (円の半径)
・AO = AO (共通)
∴ 直角三角形の「斜辺と他の1辺が等しい」ので
△ABO ≡ △ACO
∴ AB = AC


 

 

 

 

『 円周角 の定理 』の証明

 

円周角の定理の証明図①
   a = \(\large{\frac{1}{2}}\)b

 

円周角の定理の証明図②
同じ弧に対する円周角は全て等しい

 


 

<円周上を動く点Pの図>

点Pが(\(\small{\stackrel{ \Large \frown }{ AB }}\)を除いた部分を、AからBに動くとき
∠APBが常に∠AOBの半分であることを証明すれば、
①、②同時に証明したことになりますね

 

 

 

(証明)
→ 3つの場合分けとなります
(ⅰ) Oが∠APBの内部にある場合

 

中心角が内部に収まった円

 

図のように
∠OPA = a とすると
OP = OA (共に半径) より
△OAPは二等辺三角形なので
∴ ∠OPA = ∠OAP = a

 

POの延長と弧ABの交点をCとする
∠AOC = ∠OPA+∠OAP (外角)
     = a+a = 2a


同様に、
∠OPB = b とすると
∠BOC = 2b

 

∴ ∠APB = a+b
 ∠AOB = 2a+2b = 2(a+b)
∴ ∠APB = \(\large{\frac{1}{2}}\)∠AOB //

 

 

 

(ⅱ) Oが∠APBの辺上にある場合

 

円周角の定理のcase2

 

 

△OPBは二等辺三角形 (OP=OB=半径)
∴ ∠OPB = ∠OBP

 

∠AOBは△OPBの外角 (スリッパ)
∴ ∠APB = \(\large{\frac{1}{2}}\)∠AOB //


 

 

 

(ⅲ) Oが∠APBの外部にある場合

 

 Oが∠APBの外部にある図

 

POの延⾧と円の交点をCとする
△OPBは二等辺三角形
∴ ∠BOC = 2a (△OPBのスリッパ)
△OPAは二等辺三角形
∴ ∠AOC = 2b (△OPAのスリッパ)

 

∠APB = b-a …①
∠AOB = 2b-2a = 2(b-a) …②
∴ ①②より
∠APB = \(\large{\frac{1}{2}}\)∠AOB //


 

∴ (ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)より
① 円周角 = \(\large{\frac{1}{2}}\)中心角 
② 同じ弧に対する円周角は全て等しい

 

すべて「スリッパ」だけで証明できましたね

 

 

 

 

弧と円周角 の定理』の証明

 

 弧の長さが等しい ならば 円周角が等しい

 

2つの円周角イラスト

セットの2つの中心角イラスト


(証明)

手順:弧が同じ → 中心角が同じ → 円周角が同じ 

 

∠APB = \(\large{\frac{1}{2}}\)∠AOB …①
∠CQD = \(\large{\frac{1}{2}}\)∠COD …②
弧の⾧さが等しいとき中心角は等しいので
∠AOB = ∠COD …③
①②③より ∠APB = ∠CQD

 

 

(逆の証明)

手順:円周角が同じ → 中心角が同じ → 弧が同じ 

 

(省略しますね)
中心角が等しいとき弧の⾧さは等しいので
∴ \(\small{\stackrel{ \Large \frown }{ AB }}\) = \(\small{\stackrel{ \Large \frown }{ CD }}\)

 

 

 

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② 円周角の定理の逆

 

 

 円周角の定理の逆

 

2点P,Qが直線ABについて
同じ側にあり、
かつ ∠APB = ∠AQB

 

 ならば)  4点P,A,B,Qは1つの円周上にある
   (↑弧ABは同じである より便利そう)


 

 

(証明) 余談として見てOKです

 

円周角の定理の逆の証明図

(流れ)
△APBの外接円と△AQBの外接円が
 ①同じ大きさ
 ②同じ中心 と言えればよい
△APBに対する △AOB と
△AQBに対する △AO’B が合同なら
 → OとO’が一致
△AOB△AO’Bが二等辺三角形より
(半径にあたるので) → 円の大きさが同じ
∴ 4点は同一円周上


 

(証明)
円Oを △PABの外接円とすると、OP = OA = OBである
円O’を △QABの外接円とすると、O’Q = O’A = O’Bである

 

△OABと△AO’Bにおいて
 ∠AOB = ∠AO’B (仮定より∠P=∠Q、ともにその中心角)
 △OABは二等辺三角形 (OA = OBより)
 △O’ABも二等辺三角形 (O’A = O’Bより)
二等辺三角形の底角は等しいので
∠OAB = ∠OBA
円周角の定理の逆の証明図
同様に
∠O’AB= ∠O’BA
△OABと△O’ABの頂角が等しいので
 ∠OAB = ∠O’AB ∠OBA = ∠O’BA …①
 AB = AB (仮定より共通) …②

 

①②より 「1組の辺とその両端の角が等しい」ので
△OAB ≡ △O’AB
∴ 中心の位置が等しく、半径も等しい(OA=OB=OP=O’A=O’B = O’Q)
 ので、2つの外接円が一致する

 

よって、2点P、Q が直線ABについて同じ側にあり、
かつ ∠APB = ∠AQB ならば 4点P,A,B,Q は1つの円周上にある //

 

 

 

《例》
xを求めましょう

円周角の定理の逆の利用

BC共通
∠BAC = ∠BDC
∴ 4点ABCDは同一円周上にある
 ↑これさえ分かれば!!
∴ AB共通の円周角  ∠ACB = ∠ADB = 40°
  AD共通の円周角  ∠ABD = ∠ACD = 30°


角が判明していく図

 

 

 

 

 △ACDの内角180°より
 x = 180-(40+60+30) = 50°


  矢印

 
円周角がイメージしにくい場合は
円を書いて下さいね!


イメージしにくいときは円を書く

 

 

   色々な方向からの円周角イメージ図

 

色々な方向から円周角が見れるように!
 ですね


 

 

 

 

 

 

内接四角形の対角の和は180°

 

では、2点P、Qが直線ABについて同じ側に「ない」場合の性質です

 

PQが同じ側の図

 

←(今まで)
  PQが同じ側


 

内接四角形の対角の和は180°

 

P,Qが弦ABで反対側にある図

 

4点が同一円周上にある 
(四角形が円に内接する) 

 

  ならば 1組の向かい合う内角の和は180°
     (a+b = 180°)
    (+α)→ a = c (向かい合う内角の外角に等しい)


 

 

一言で
内接四角形 ならば対角の和は180° ですね

 

(∠PAQ+∠PBQ も180° のはずですね)

 

 

(原理)

弦が中心より下

 

弦が中心上

 

弦が中心より上

 


 

(証明)

対応する円周角中心角の色分け

 

 a の中心角 = 2a
 逆中心角 = 360°-2a = b の中心角
 b の円周角 = \(\large{\frac{360°-2a}{2}}\) = 180°-a
→ a+b = a+(180°-a) = 180°

 


 

(イメージ)

四角形が円に内接⇔向かい合う内角の和は180°の理由

 

2つの中心角の合計は必ず360°
2つの円周角の合計は、その半分 → 180°

 

 

 

 

〔 a = c の証明 〕

 

向かい合う内角の外角に等しい準備図

・bは内接四角形( 内接四角形)から見れば、180°-a
→ b = 180°-a → a = 180°-b

 

・bは直線 l ( 180°のイメージ)から見れば、180°-c
→ b = 180°-c → c = 180°-b

 

∴ a = c (どちらも右辺が同じ)
(三角形の外角(スリッパ)と同じような考え方ですね)

 


 

 

 

練習問題四角形が円に内接⇔向かい合う内角の和は180°の利用

 

 

 

 

③ 内接円、外接円の性質の利用

 

・ 三角形の内接円の半径の利用

 

 

内心の性質から三角形の面積を求める

大三角形の面積  = 赤三角形 + 緑三角形+ 青三角形

  = \(\large{\frac{1}{2}}\)ar+\(\large{\frac{1}{2}}\)br+\(\large{\frac{1}{2}}\)cr
  = \(\left(\large{\frac{ar+br+cr}{2}}\right )\)

   (半径がうまい具合に  「高さ」になる)

 


 

 

《 例 》
 図のようなとき面積が 84cm2でした内接円の半径は?

 

13、14,15の三角形

S=\(\large{\frac{13r+14r+15r}{2}}\)
=\(\large{\frac{42r}{2}}\)

→ 21r = 84 より
   r = 4 cm


 

 

 

《 例 》
 x を求めましょう

 

高さ12、底辺9の直角三角形イラスト

 

補助線を引いた図

補助線AO, OD, OEを引くと
半径より△OABの高さも
    △OCAの高さも xですね

→ △ABC=△OAB+△OAC
\(\large{\frac{12×9}{2}}\)=\(\large{\frac{12x}{2}}\) + \(\large{\frac{9x}{2}}\)
108=21x
7x=36
x=\(\large{\frac{36}{7}}\)

 

 

ちなみに、この次の過程「三平方の定理」で出てきます
代表的な直角三角形」の1つ「5・4・3 の直角三角形」の内接円の半径rは…

 

辺の比が3,4,5の直角三角形の内接円の半径は1

 

「5, 4, 3 の直角三角形」の
内接円の半径は「1


上の問題は「5, 4, 3 の三角形」ではありますが、内接円ではないですね

 

中学数学 円周角・中心角 |

 

(当たり前ですが)
外接円を描くと


中学数学 円周角・中心角 |
各頂点は「円周角」と言える

 

 

 

《 例 》
 次の三角形の外接円の半径を求めましょう

 

三角形>

外接円を足した図

外接円を描くと30°は「円周角」に!
中心角は60°とわかりますね
頂角60°の二等辺三角形 = 正三角形
∴ 半径は 5cm //


 

 

 

 

 

頂点の角度と円周の関係

 

 

頂点が円周内、上、外にある場合の三角形

 

Pは 円周上 にある  ならば  ∠APB = α
Pは 円の内部 にある  ならば  ∠APB > α
Pは 円の外部 にある  ならば  ∠APB <α


 

 

証明として、正三角形で底辺の⾧さが同じならば、頂上の角度が
「鈍くなれば、高さが低くなる」「鋭くなれば、高くなる」と
本能的にイメージできるのですが…

 

二等辺三角形の高さの比較図

 

これでは、数学的証明にならないみたいですね…

 

中学数学 円周角・中心角 |

Pは 円の内部 にある  ならば ∠APB>α

 

(証明)
内部の点をP’とし、AP’の延⾧と円の交点をPとする
∠AP’Bは△P’PBの∠PP’Bの外角であるから

 

∠AP’B = ∠APB+∠PBP’
∴ ∠AP’B >∠APB …①

 

∠APBに何かを足さないと∠AP’Bになれない
→ ∠AP’Bの方が大きいという理論

 

∠APB = α (円周角の定理) …②
∴ ①②より ∠AP’B>α

 

 

 

 

∠APB>α ならば Pは円の内部にある

 

(証明)
点Pが円の内部にないと仮定すると、
点Pは、「円周上」、または「円の外側」にあるかのいずれかである
円周上であれば  ∠APB = α、円の外側であれば   ∠APB<α となって、
仮定「∠APB>α」 に矛盾する

 

∴ Pは「円の内部」になければならない (転換法という証明法ですね)

 

 

 

 

Pは 円の外部 にある    ならば ∠APB<α

 

も同様の証明方法となりますので省略しますね

 

 

 

 

 

 

 

内接円を持つ四角形の対辺の関係

 

四角形に内接円がある⇔対辺+対辺 = 対辺+たいへん

四角形に内接円がある 

  ならば  a+c = b+d
 (対辺 + 対辺 = 対辺 + 対辺)


 

 

(証明)

四角形と内接円の図

 

 

この図は中学数学 円周角・中心角 |が「4つ」でできている


 

接線として分解した図

 

 

接線が「8つ」集まったものと見れますね
ということは
→ 接点までの距離は等しいので
s=s, t=t, u=u, v=v
この4式を足し合わせると


 

s+t+u+v = s+t+u+v → (s+v)上辺+(t+u)下辺 = (s+t)左辺+(v+u)右辺
∴ 対辺+対辺  = 対辺+対辺 //

 

 

 

 

《 例 》
 図のようなとき、線分CQの長さを求めましょう

 

例題問題接線の長さは同じであることの利用1

 

→ CQを xとすると、CRもx
→ AR = AP、BQ = BP より (接点までの距離は等しい)
 AR+BQ (=AP+BP) = 14
 (13-x)+(15-x) = 14
  -2x = -14
  x = 7    A. CQ = 7cm

 

 

 

 

《 例 》
 図のような台形に円が内接している時、台形の面積を求めましょう

 

高さ10の台形イラスト

 

→ 「AD+BC = AB+DC」より
 (内接円を持つ四角形 ならば 対辺+対辺 = 他対辺+他対辺)
 AD+BC = 15+10 = 25

∴ 台形の面積=\(\large{\frac{1}{2}}\)(上+下)(高さ)
=\(\large{\frac{1}{2}}\)・25・10
=125 cm2 //

 

 

 

 

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イ 円周角と中心角の関係の活用

 

 ① 接弦定理

 

中学数学の「円の性質」で最も大事なものと思われる3つのうちの
2つ目「接弦定理」ですね!
現在の公立中学では課程から外れているかもしれませんが
私立中学では必ず学んでいるはずです

 

 


定理

 

接弦定理

 

接弦定理の円イラスト

 

∠b = ∠a
∠t = ∠s

 

 (弦BCと接線がつくる∠bは
 弧BCの円周角∠aに等しい)   


 

 

「形」で理解してしまえば十分ですね↓

 

接線と弦

線とのなす角が
離れた角と同じという定理


 

 

 

《 例 》
図のようなとき、xを求めましょう

 

接弦定理問題

接弦定理問題
 ① ∠DBC = 40° (接弦定理)
 ② ∠ABC+∠ADC = 180°
 (内接四角形の対角の和は180°)
 ∴ (x+40)+97 = 180  → x = 43° //


 

 

 

 

《 例 》
図のようなとき、xを求めましょう

 

例題
 → A. xは不明!

 

外接円を描いた図
   外接円を書いてみると…
   直線は点Bの接線ではない!
   → 「接弦定理」は使えない


 

 

 

 

接弦定理の証明

 

それでは、「接弦定理」自体を証明しましょう
…という問題は見たことがありませんが、「納得」するために「原理」として
証明していきますね

 

「円周角の定理の証明」同様、『場合分け証明』になります

 

 

〔 ∠ABCが90°の場合 〕

 

接弦定理証明90°の場合

 

∠ABCが90°のとき、ACは直径 (円周角が90° ⇔ 直径より)
 ∴ OCは半径
OC ⊥ l (半径と接線は垂直に交わる より)
 ∠ACl = 90°
 ∠ABC = 90°(仮定より)
∴ ∠ACl = ∠ABC

 

 

 


  外角の定理  

 

ここで次に備えて、「外角の定理(スリッパの定理)」を再度

 

外角の定理の図  

 

スリッパイラスト 横から見たスリッパ?


 

 外角 g = a+b    

 

 

(証明)
・「三角形の内角」180°から見て   c = 180°-(a+b) …①
・「直線」(Bl) 180°から見て   c = 180°- g …②
①=②(c = c)より
 180°-(a+b) = 180°- g
     -a-b = -g
      g = a+b //

 

「三角形の内角の和」も「直線」も、「どちらも180°ということを、
うまく利用してしていますね! 実は数学ではよく使う手法です

 

 

ex)

中学数学 円周角・中心角 |

2つは正方形です
すると ∠a = ∠c となりますね!
 ・ a = 90°-b
 ・ c = 90°-b   
∴ a = c

どちらも90°をうまく利用していますね

 

 

 

 

接弦定理の証明に戻りまして、

 

〔 ∠ABCが鋭角の場合〕

 

円と接線イラスト円周角90°イラスト

 

CAをそのままに、BCがOを通るように点Bを動かすと
→ ∠B = ∠B’ (円周角の定理)
→ ∠A = 90° (BCが直径 ならば円周角は90°)

 

・三角形の「内角」から見て
 赤扇= 180°-90°- 青小扇 → 青小扇= 180°-90°- 赤扇

 

・「直線(直径を延長した直線)」B’m から見て
 赤扇= 180°-90°- 青大扇 → 青大扇= 180°-90°- 赤扇

 

→ どちらも 180°-90°- 中学数学 円周角・中心角 |
∴ 中学数学 円周角・中心角 | =  中学数学 円周角・中心角 |

 

 

 

 

〔 ∠ABCが鈍角の場合 〕

 

円と接線の図

 

反対側に三角形をとった図


 

点Bのある\(\small{\stackrel{ \Large \frown }{ AC }}\)の反対側の\(\small{\stackrel{ \Large \frown }{ AC }}\)に、適当な点Dをとると…
∠D= 180°-∠ABC (内接四角形の対角の和は180°)
∠ABCは鈍角(仮定)であるから
 ∴ ∠D は鋭角
「鋭角の場合の証明」より、∠D= ∠ACm
∴ ①内接四角形から見て、  ∠ABC = 180°-∠D  = 180°-∠ACm (置き換えただけ)
  ②直線mlから見て、    ∠ACl = 180°-∠ACm
∴ ∠B = ∠ACl //

 

 

 

 

 

 

《 例 》
図のようなとき、x を求めましょう

 

例題問題接弦定理を利用して角度を求める1

 

→ CBを結ぶと…

 

例題問題接弦定理を利用して角度を求める1補助線

 

→ ∠DBC = 38° (接弦定理)
→ ∠ECB = 38° (接弦定理)
∴ ∠CFB = ∠DFE (対頂角) = 180°-38°-38° = 104°
 四角形の外側の角
は y = a+b+c   (  四角形の外角 凹四角形でもOKでしたね)
∴ 104 = 46+38+x
x = 20° //

 

他にも色々道がありそうですね
∠DCF = 104-46 = 58° (外角の定理)
∠DCFは△CAEの外角
∴ 38+x = 58  → ∴ x = 20° //

 

どんな方法でも解ければOK!

 

 

 

接弦定理の逆

 

完全な余談ですね
結果だけで十分ですね!
「あの2つの∠が同じ ならば この線は接線」で十分

 


定理

 

【 接弦定理の逆 】

 

接弦定理の逆準備

 

接弦定理の逆

 


 

(正確には)
AとDが直線BCに関して反対側にあり、∠a = ∠CBD
 ならば 直線BDは三角形ABCの外接円の接線

 

 

 

 

 

接弦定理の逆の証明

 

念のため証明しますね

 

円と接線 円と直線 円と接線

 

(証明)
△ABCの外接円の接点Bの接線上に、BCに関してAと反対側に点Eをとると、
 ∠a = ∠CBE (接弦定理より)
 ∠a = ∠CBD (仮定より)
∴ ∠CBE = ∠CBD となり、

 

さらにDEはBCの関して同じ側にあるので、B, D, E, は「一直線上」である
 ∴ BDは三角形ABCの外接円の接線である //

 

 

接線である」ということに価値があるのであって、
「3点は同一円周上にある」ということには全く価値がありませんね
なぜなら、三角形の各頂点は必ず同一円周上にあるからですね
(=どんな三角形でも必ず外接円が描ける)
同一円周上にある」で価値があるのは「4点(四角形)」の場合ですね!

 

円と内接三角形

 

 

 円と内接四角形の可能性
 四角形を構成するのは2つの三角形

 

 → 1つはどの3点を選んでも
 「同一円周上(外接円を書ける)」
 問題はもう一つの三角形の最後の1点C!

 

 


 

 

 

 

- 思い出 -

 

娘と何かの問題を解いていた時に…

 

父「まずは適当に外接円、書いてみるじゃん」
   手書き外接円
「…外接円て手書きで書くと何気に難しいよな~」
「じゃあ、そっちもプリントに書き込んでみて!」

 

娘
   手書き外接円

 

 

 

父「・・・」

 

娘「・・・」

 

 

 

父「・・・うッ、うまいね・・・」

 

娘「・・・」

 

 

 

 

cf. バランスイメージ

 

正三角形の外接円        

 

 

直角三角形の外接円

 


 

二等辺三角形の外接円            

 

鈍角三角形の外接円

 


 

直角二等辺三角形の外接円        

 

   

鈍角三角形の外接円2

 


 

 

 

 

→ ページの先頭に戻る

 

 

 

 

 

 ② 方べき

 

中学数学の「円の性質」で最も大事なものと思われる3つのうちの最後「方べき」ですね!

 

「ほうべき」…何か変な名前ですね

 

名前の由来は分かりませんが

おそらく、

「方」→「平面図形」、
「べき」→「べき乗」≒「累乗」


 

よって、イメージとして「平面図形」が「累乗」みたいな形になる…感じでしょうか
・・・こだわる部分ではないですね!

 

3パターンありますが、言っていることは皆同じと言えますね!

 

 


定理

 

方べきの定理

 

方べきの定理の公式①

方べきの定理の公式①補助線

「2角が等しい」 
・円周角の定理 
・円周角の定理
・または対頂角

 

(基本形) △PAD ∽ △PCB
  ↓
(中間形) PA:PC = PD:PB
  ↓  (↑他にもたくさんありますね
  ↓   「相似ならなんでもよい」)
  ↓  (もちろん分数形でもOK!)
(最終形) PA・PB = PC・PD


 

 

方べきの定理の公式②
方べきの定理の公式②補助線

「2角が等しい」 
・円周角の定理 
・共通角 

 

(基本形) △PDA ∽ △PBC
  ↓
(中間形) PA:PC = PD:PB
  ↓
(最終形) PA・PB = PC・PD


 

 

方べきの定理の公式③
方べきの定理の公式③補助線

「2角が等しい」 
・接弦定理 
・共通角 

 

(基本形) △PTA ∽ △PBT
  ↓
(中間形) PA: PT (元PC)= PT (元PD):PB
  ↓
(最終形) PT2 = PB・PA


 

 

基本形」さえ見つけ出せれば、「中間形」「最終形」はおのずと導けますね!
よって、中学数学では「基本形」を見つけ出して「対応する辺」が
どれとどれか(折りたたんだら対応が一致(山型になる)) というイメージさえあれば十分です!

 


な3イメージで「方べき」は安心ですね
高校数学では「最終形」までを公式のように憶えていれば、幾分か早く問題を
解けると思いますが…それでも「基本形」までで、または
折りたたんだら山形 (そして、A型型やL型型を当てはめる)」というイメージがあれば「中間形」までで十分かなと思います。

 

 

中学,数学,円周角,中心角,方べき,接弦定理

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

方べきの定理の証明

 

証明は…したも同然ではありますが 念のため
(2つの三角形が相似であるといえればよいだけ)

 

方べき証明①
2本の弦AB、CDが、円周上にない点Pで交わる ならば PA・PB = PC・PD

 

(証明)
△PADと△PCBにおいて
 ∠PAD = ∠PCB ( 円周角の定理 )
 ∠PDA = ∠PBC ( 円周角の定理 )
 (∠APD = ∠CPB 対頂角 でもOK)

 

「2組の角がそれぞれ等しい」ので
 △PAD∽△PCB (基本形)
∴ PA:PC = PD:PB (中間形)

∴ PA・PB = PC・PD (最終形) (比の計算)

∴ 2本の弦AB、CDが、円周上にない点Pで交わる ならば PA・PB = PC・PD

 

 

 

 

方べき証明②
2本の弦AB、CDそれぞれの延長が、円周上にない点Pで交わる ならば PA・PB = PC・PD

 

(証明)
△PDAと△PBCにおいて
 ∠PDA = ∠PBC ( 円周角の定理 )
 ∠DPA = ∠BPC ( 共通 )

 

「2組の角がそれぞれ等しい」ので
 △PDA∽△PBC (基本形)
∴ PA:PC = PD:PB (中間形)
∴ PA:PB = PC:PD (最終形) 
∴ 2本の弦AB、CDそれぞれの延長が、円周上にない点Pで交わる ならば PA・PB = PC・PD

 

 

 

 

方べき証明③

 

円の外部の点Pから引いた接線の接点をT、
Pを通り円と2点で交わる直線との交点をA, Bとする ならば PT2= PB・PA

 

(証明)
△PTAと△PBTにおいて
 ∠PTA = ∠PBT ( 接弦定理 )
 ∠APT = ∠TPB ( 共通 )

 

「2組の角がそれぞれ等しい」ので
 △PTA∽△PBT (基本形)
∴ PA:PT = PT:PB (中間形)
∴ PA:PB = PT2 (最終形) 
∴ 円の外部の点Pから引いた接線の接点をT、Pを通り円と2点で交わる直線との交点をA, Bとする ならば  PT2= PB・PA //

 

 

 

 

 

《 例 》
図のようなとき、x, y を求めましょう
方べき例題

 

→ 相似な2つを見つけるだけですね

補助線を引いた図

△PAB相似△PCD
→ 1:x = 2:12 (中間形)
  (1:2=x:12, \(\large{\frac{x}{12}}\)=\(\large{\frac{1}{2}}\)
  なんでもOKでしたね)
→ 2x = 12 (最終形)
x = 6 //


 

△PFE∽△PGH

 

 

△PEF相似△PFG
 1:y = 3:12
  3y = 12
   y = 4 //


 

 

 

 

《 例 》
四角形DBCEが円に内接するとき、xを求めましょう

 

△ABCイラスト

 

外接円を書いた図

 

 

△ABE∽△ACD

→ (4-x):2=6:4
16-4x=12
4x=4
x=1 //

 

 

 

 

→ ページの先頭に戻る

 

 

 

 

 

③ 方べきの定理の逆

 

「接弦定理の逆」同様、完全な余談ですね
結果だけで十分ですね!

 

2つの三角が 裏返し で相似   ならば 4点は同一円周上

 

ですが、念のため

 

 

方べきの定理の逆の証明

 

 

方べきの定理の逆①仮定
線分ABとCDが、点Pで交わり、
PA・PB = PC・PD

方べきの定理の逆①結論
 ならば) 4点 A , B , C , D は同一円周上


 

 

 

方べきの定理の逆②仮定
線分ABとCD、それぞれの延⾧線が、
点Pで交わり、PA・PB = PC・PD

方べきの定理の逆②結論

 


ならば) 4点 A , B , C , D は同一円周上


 

 

 

方べきの定理の逆③仮定
線分ABの延⾧線が、
線分AB上にない点Tを通る直線と、
点Pで交わり、
PA・PB = PT2

方べきの定理の逆③結論

 

 

 ならば) PTは3点 A,B,T を通る円の
  点Tでの接線


 

 

 

(①の証明)

 

仮定 PA・PB = PC・PD → (変形しておく) PA:PC = PD:PB

 

方べきの定理の逆の公式の証明①

方べきの定理の逆の公式の証明①補助線


 

△PADと△PCBにおいて
 ∠APD = ∠CPB (対頂角)
 PA:PC = PD:PB (仮定の変形)
∴ 「2組の辺の比と その間の角がそれぞれ等しい」ので
 △PAD∽△PCB

 

∴ ∠PAD = ∠PCB かつ A , C はBDに関して同じ側にあるので
「円周角の逆の定理 円周角の逆の定理」より
4点 A , B , C , D は同一円周上にある //

 

 

 

 

 

(②の証明)

 

仮定 PA・PB = PC・PD → (変形しておく) PA:PC = PD:PB

 

方べきの定理の逆の公式の証明②

方べきの定理の逆の公式の証明②補助線


 

△PADと△PCBにおいて
 ∠DPA = ∠BPC (共通)
 PA:PC = PD:PB (仮定より)
∴ 「2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい」ので
 △PAD∽△PCB

 

∴ ∠PDA = ∠PBC かつ B , D はACに関して同じ側にあるので
「円周角の逆の定理」より4点 A , B , C , D は同一円周上にある //

 

 

 

 

 

(③の証明)

 

仮定 PA・PB = PT2 → (変形しておく) PA:PT = PT:PB

 

方べきの定理の逆の公式の証明③

方べきの定理の逆の公式の証明③補助線


 

△PTAと△PBTにおいて
 ∠TPA = ∠BPT (共通) 
 PA:PT = PT:PB (仮定より)
∴ 「2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい」ので
 △PTA∽△PBT

 

∴ ∠PTA = ∠PBT より「接弦定理の逆」より

P とB が直線AT に関して反対側にあり、  ∠PBT = ∠PTA
ならば 直線PT は三角形ABTの外接円の接線

 

PTは3点 A , B , T を通る円の 点Tでの接線 //

 

 

 

 

以上、円に関する性質でした!
これらの「武器」と次の過程で学ぶ「三平方の定理」があれば
中学数学の円に関する問題で解けないものはないですね!

 

 

 

お疲れ様でした!
その他の問題は、「問題集」で !!

 

 

→ ページの先頭に戻る

 

 

④ その他余談

 

これ以降のお話は完全な余談です
将来出会った時に「何これ!」より「なんか見たことある」の方が少しはいいのかなという意味合いだけのお話です
サラッと見でOKです!

 

 

 

a. 2つの円の位置関係

 

2つの円の位置関係は、
それぞれの「半径」と、「中心間の距離」の関係で5つに分類できますね

 

 

離れた円

 

R+r < d ならば) 離れている
ex. ( 3+2 < 7 )


 

接する円

 

R+r = d  ならば) 外接している
( 3+2 = 5 )


 

2点が交わる円

 

R-r < d < R+r   ならば) 2点で交わる
( 3-2 < 4 < 3+2 )
( 共通弦 ⊥ OO’)


 

内接する円

 

R-r = d ならば) 内接している
( 3-2 = 1 )


 

 

二重の円

 

R-r = d ならば) 内部にある
( 3-2 > 0.5 )


 

 

当たり前と言えば当たり前ですが、
(3) (4) (5) あたりになると…「ンッ!」となりますね!

 

 

 

 

b. 2つの円の共通接線の本数

 

 

離れた円の共通接線

 

離れた円 ならば) 4本


 

接した円の共通接線

 

接した円 ならば) 3本


 

2点で重なった円の共通接線

 

 

2点で重なった円ならば) 2本


 

接した二重の円

 

内部で接した円 ならば) 1本


 

二重の円   

 

内部で接しない円 ならば) 0本


 

 

 

 

 

c. トレミーの定理

 

 

 トレミーの定理

 

四角形が円に内接 ならば)  (AB・DC) + (AD・BC) = AC・BD

 

 (上×下) + (左×右)= 対角線×対角線

 

 

《 例 》
 図のようなとき、xを求めましょう

 

トレミーの定理を利用して長さを求める

内接五角形


 

→ AC = BE = CE = 2 (正五角形より)
  AB = BC = CD = DE = EA = x (正五角形より)
→ 四角形ABCEで
 AB・CE+BC・AE = AC・BE (トレミーの定理)
 x・2+x・x = 2・2
 x2+2x = 4
 (x+1)2 = 5
 x = ±\(\small{\sqrt{5}}\)-1
x>0より
 x = \(\small{\sqrt{5}}\)-1 //

 

 

 

 

d. チェバの定理・メネラウスの定理

 

〔 チェバの定理 〕

 

 チェバ準備

 

3直線 AC, BS, PR が1点で交わる ならば)\(\large{\frac{BC}{CP}}\)・\(\large{\frac{PS}{SA}}\)・\(\large{\frac{AR}{RB}}\) = 1

 

 

〔 メネラウスの定理 〕

 

 メネラウスの準備

 

3点 P, Q, R, が一直線上 ならば)\(\large{\frac{BP}{CP}}\)・\(\large{\frac{AR}{RB}}\)・\(\large{\frac{CQ}{QA}}\) = 1

 

 

 

【 イメージ 】
予備前提イメージとして…何も乗っていない「天秤」はつり合っていますね

 

天秤

左 = 右 ですね、少し変形すると
\(\large{\frac{左}{右}}\) = 1 や \(\large{\frac{右}{左}}\) = 1 ですね


 

イメージ

① つり合う = 左右が同じ、または両者どうしで割ると「1」
つり合う = 支点(▲)が1点に決まる

↑もう、「現象」「摂理」ですね、「意味」など考えるだけ無駄ですね

 

 

 

【 チェバのイメージ 】

 

チェバの図は3つの「天秤」からできているとイメージできますね
三角形の辺の比のイメージ

 

そして、それぞれを下図のよう

 

辺を左右に分けた三角形にすると

 

現象として、黒丸の動きをボーっと見てくださいね
チェバの定理の証明のイメージ

 

よって
→ 左×左×左 = 右×右×右 ならば 対辺への線が「1点」で交わる「現象

 

かっこよく言えば

\(\large{\frac{左\cdot左\cdot左}{右\cdot右\cdot右}}\) = 1    \(\large{\frac{右\cdot右\cdot右}{左\cdot左\cdot左}}\) = 1    \(\large{\frac{左}{右}}\)・\(\large{\frac{左}{右}}\)・\(\large{\frac{左}{右}}\) = 1    \(\large{\frac{右}{左}}\)・\(\large{\frac{右}{左}}\)・\(\large{\frac{右}{左}}\) = 1

などになっていきますね

 

結局チェバって何が言いたいの?
→ 左×左×左 = 右×右×右 ならば対辺への線が「1点」で交わる「現象

 

天秤の支点(▲)が1点で決まるように、交点()が1点で決まる「現象」
意味など考えると疲れますね!「現象」です!

 

 

 

《 例 》
AG:GB を求めましょう

 

△ABC

チェバ(左のかたまり=右のかたまり)より
AG×1×2 = GB×2×1
2AG = 2GB
AG = GB (=でつながるものを比にする)
A. AG:GB = 1:1


 

 

(別解:チェバを使わない)

 

△ABC

・DからCGに平行なDJを引く
△ADJの「山」より
→ AE:ED = AG:GJ   = 3:2
△BGCの「山」より
→ BD:DC = BJ:JG   = 1:2
・比の統一
比の統一
∴ AG:GB = 3:3 = 1:1


 

 

(研究)

 

それでは、三角形のの線分の比がわからない時、(外周の比しかわからない場合)
「チェバ」を知っていないと解けないのでしょうか?
「補助線」では解けないのでしょうか?

 

△ABC

(チェバなら)
AF・3・2 = FB・4・1
6AF = 4FB (=でつながるものを比にする)
AF:FB = \(\large{\frac{1}{6}}\):\(\large{\frac{1}{4}}\) = 4:6  = 2:3
→ あっという間ですね


 

 

(補助線なら)

 

△ABC

△CBEの「山」より
CH:HE = 4:3
比の統一
比の統一イラスト


 

△ABC

△ADHの「山」より
AG:GD = 1:\(\large{\frac{6}{7}}\) = 7:6

 

あとは先の問題と同じですね
Iから補助線
△AIDの「山」より
AF:FI = 7:6
△BCFの「山」より
BI:IF = 3:4
比の統一
AF:FI:IB = 14:12:9
∴ AF:FB = 14:21 = 2:3

 


 

「補助線」でも解けますね! ですが、なかなか大変ですね

 

 

【 チェバの定理の証明 】

 

余談中の余談です…

 

「チェバ」の原理は「面積比」の利用です

 

チェバイラスト

内2つの三角形1

 

黒面積:面積
 = 3:4


内2つの三角形2

 

黒面積:面積
 = 1:2


内2つの三角形3

 

面積:面積
 = 2:3



 

確かに、底辺は共通なので「底辺にあたるもの」と言えますが、
点線の比は「共通」でもなく「平行」でもなく「底辺との角度が同じ」
でもないのに、「高さにあたるもの」となる?

 

(証明)
黒と赤でいきますね

 

底辺共有2三角形>

「高さにあたるもの」がないので
①正真正銘の「高さ」である
「底辺に対する垂線」を落とします
②同じ線に対する垂線どうしは「平行」
③ということは細い三角形どうしは
「ちょう型」ですね
④ということは、左垂線:右垂線も「3:4」
⑤すなわち、点線の比は「高さにあたるもの」
3:4ということができますね
⑥すなわち、3→黒面積、4→赤面積を表す・・
ということですね


 

三角形の内容

 

左図は各辺の数字が表す面積です
ex. 2は 三角形の分解を表す
  4も 三角形の分解2を表す


 

これを文字に置き換えると…

 

△ABC

 

チェバの定理は  \(\large{\frac{RB}{AR}}\)・\(\large{\frac{PC}{BP}}\)・\(\large{\frac{AQ}{QC}}\) = 1

 

各辺が表す面積に置きかえると
\(\large{\frac{RB}{AR}}\)・\(\large{\frac{PC}{BP}}\)・\(\large{\frac{AQ}{QC}}\) = \(\large{\frac{△OBC}{△OAC}}\)・\(\large{\frac{△OAC}{△OAB}}\)・\(\large{\frac{△OAB}{△OBC}}\)

 

これらを約分すると
約分  = 1   確かに「1」!

 

→ チェバの定理は成り立っている

 

 

【 外部でもOK 】

 

チェバは1点で交わる点が三角形の外部であっても成り立ちます
同じく、余談中の余談です

 

△ABC

 

通常の「内部チェバ」ですね
a・b・c = x・y・z


 

考え方は同じですが、対応する辺がややこしいですね
(順に鉛筆で「左、右、左、右、左、右」と何度もなぞって、慣れてくださいね)

 

△ABC

 

 

a・b・c = x・y・z


 

  Aから交点   交点からB   Bから交点   交点からC   Cから交点   交点からA

 

 

△ABC>

 

a・b・c = x・y・z


 

 

△ABC

 

a・b・c = x・y・z

 

 

 

 

【 メネラウスのイメージ 】

 

再度

〔 メネラウスの定理 〕

 

 メネラウスの準備

 

3点 P, Q, R, が一直線上 ならば)\(\large{\frac{BP}{CP}}\)・\(\large{\frac{AR}{RB}}\)・\(\large{\frac{CQ}{QA}}\) = 1

 

 

チェバとの違いは
APという三角形の「辺」ではなく
ACという三角形内部の直線ですね

 

CPのようなはみ出た部分を「はみ出た(はみ右, はみ左)」としますね
BPのような食い込まれた辺を「食い込まれた辺(全左, 全右)」としますね

 

メネラウス
→ はみ出た(右)×右×右 = 全(左)×左×左
→ はみ出た(左)×左×左 = 全(右)×右×右

 

図により左右を変えればOKですね
「はみ出た:全部」 の部分だけは「外分」ということですね

 

△APB>

 

PBはみ左CRAQ = PC全右ARQB ですね
途中 右, 左が?になった場合は、B, R, Q に天秤の支点▲を外側から配置してくださいね
支点を足した三角形 (天秤のイメージ)

 

 

 

 

《 例 》
図のようなとき、AF:FCを求めましょう

 

△ABC

メネラウスより
BDはみ左CFAE = BC全右AFED
 1・CF・3 = (1+2)・AF・2
 3CF = 6AF
∴ CF:AF = \(\large{\frac{1}{3}}\):\(\large{\frac{1}{6}}\) = 2:1 (=でつながるものを比にする)
A. AF:CF = 1:2 


 

 

(別解:メネラウスを使わない)

 

△ABC

・DからBFと平行な補助線で「山」作り
・△ADHの「山」より
 → AF:FH = 3:2
・△CFBの「山」より
 → CH:HF = 2:1
・比の統一
AF:FH:HC
∴ AF:FC = 3:6  = 1:2 //


 

 

 

《 例 》
図のようなとき
(1) AF:FD を求めましょう

△ABC

 

メネラウスで
DCはみ右BEAF = BC全左AEFD
 2・2・AF = (3+2)・1・FD
 4AF = 5FD
∴ AF:FD = \(\large{\frac{1}{4}}\):\(\large{\frac{1}{5}}\) = 5:4


 補助線なら
△ABCと補助線

→ 1本でOKですね (Bからそれぞれの比が始まってるな → DPを足してみるか) 

・△BCEの山から、 BP:PE = 3:2

・比を統一して、 BP:PE:EA =\(\large{\frac{6}{5}}\) ← \(\large{\frac{\boxed{\scriptsize{2}}}{5}}\)×3:\(\large{\frac{4}{5}}\):1
∴ △APDの山から、 AF:FD = 1:\(\large{\frac{4}{5}}\) = 5:4 ですね!

 

 

(2) △ABCと△FDC の面積比を求めましょう
△ABC
まず、△ABC:△FBC

△ABCの(底辺にあたるもの)・(高さにあたるもの):△FBCの(底辺にあたるもの)・(高さにあたるもの) (「あたるもの」の考え方)
= BC・AD:BC・FD
= AD:FD 比は同じ数字, 文字で割っても掛けてもよい = 分数の約分, 逆約分
= (1)より、5+4:4 = 9:4

 

次に、△FBC:△FDC

△FBCの(底辺にあたるもの)・(高さにあたるもの):△FDCの(底辺にあたるもの)・(高さにあたるもの)
= BC・FD:DC・FD
= BC:DC
= 3+2:2
= 5:2
∴ △ABC:△FBC:△FDC
   9: 4
  5:  2
→ 45:  20:  8

∴ △ABC:△FDC = 45:8
もちろん「あたるもの」に慣れている場合は、一気に
△ABC:△FDC
= (3+2)(5+4):(2)(4)
= 45:8 でもOK

 

 

 

 

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2017/12/5 23:12  
 
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